カナダ・ユーコン 2003 夏

8. フータリンクワ 〜 ビッグエディー・ウッドキャンプ


6/25 (水) 晴れのち曇り

快晴の清々しい朝。目覚めは相変わらず良い。
風がおさまったためか、気温はそれほど下がらず。

ついにキた、ノーザン・パイク

ぼーっと川面を眺めていたら、クリークの方から恵子ちゃんが走ってくる。

 「齊藤先生がパイクを釣った!大きい!!」

すわ!と走り寄ると、見事 80cmオーバーの大物。
ラインが細いため、バラさないように 30分近く格闘したそうだ。
早速、同じポイントで試してみたが、またもやルアーが根掛かり。これでスピナーは全滅だ。

Don がパイクをさばいてくれた。やっかいな小骨も綺麗に取ってくれる。
白身で身が厚くてプリプリ。バターでソテーして朝食前のアペタイザー?に。
一匹で 14人が充分食べられた。んまかった〜

朝食はベーコンポテトにマフィンとフルーツ。
食事が美味く、どー考えてもカロリー過多な傾向にあるので、今朝はマフィン半分でガマン (^^;

天気がいいので出発前に全員で記念写真…と思ってたら David のフネが流されかける。
膝まで水に浸かって慌てて回収するガイド達。このあたりで気が弛んできたのだろうか?

S.S. EVELYN

フータリンクワのすぐ下流の中洲が Ship Yard。
このあたりはまだユーコンとテズリンの水が混ざり合わずに、2色に別れている。
今のうちとビデオを回したら、今度はおいらのパドルが流された。緊張感抜けすぎか。
やや流れが速いので慎重に接岸する。

ここも、ゴールドラッシュ末期の史跡。
水曜どうでしょう」のビデオにも出てきたので、何があるかは判っていた。
が、やはり実物は迫力がある。これでベーリング海からホワイトホースまで遡っていたのか。
放棄され、今にも朽ちかけそうな S.S.EVELYN 号。あと 10年持つのか?

残骸が残る

だんだんと川の水は混じりあって1色になっていく。
David の話だと、岩壁に当たって S.S.KLONDIKE 号が沈んだのはこのあたりだとのこと。
上半分をホワイトホースに持ち帰り復元したのだが、下半分は、今もユーコンに沈んでいるままだ。
もしかしたら、昨日のテントが引っかかっているかもしれない(笑)

そんな話をしていたら、中洲に昔の木造船の残骸があった。
これも EVELYN と同じぐらい大きく見える。
何十年もこのままだと言うのだが、この川はあまり増水しないのだろうか?
雪解けの時期はどうなのだ??

ゆったり中

Piss Stop を挟んで、ラフトを組んでティータイム。
蚊の多い陸上よりも川の上の方が快適なのだ。
ツアーでは行動食も豊富に用意してくれていて、次から次へとチョコやナッツ類が出てくる。
ほとんど漕がないので確実に太りそう(笑)

右岸の木がまばらになっている。
1977 年の山火事の跡だそうだ。30年近く経ってもこの地方では少ししか木が生長しない。
最初にファイヤー・ウィードが生え、ゆっくりと地盤を作り、その他の草類が生い茂る。
その後針葉樹が生え、地衣類が地表を覆うのは日陰ができた後だ。

白頭ワシ

雲が多くなってきた。MAZIE CREEK を過ぎた先の右岸でランチタイム。
今日は今までで一番遅い。15:30 だ。
まぁ、お腹ペコペコ状態にはなっていないので問題はないのだが。
いつものベーグルサンドとフルーツ。

食べ終わり、まったりしていると、白頭ワシがフネの近くに降りてきた。
と、見ているウチに低く飛びあがり、流木ごとグレイリングをキャッチ。
Don の話では秋に産卵後の死んだサーモンをつつく白頭ワシは見飽きているが、
生きたグレイリングを捕まえるシーンは初めて見たそうだ。ホントかしら?

昨日のムースと言い、今日の白頭ワシと言い、なかなか良い演出だ。
David は「Good Arrangement!」と叫んでいた。
この調子でグリズリーちゃんも手配して欲しい。

ヘアピン左カーブの外側が大きなエディになっている箇所に上陸。
文字通り、ここが Big Eddy Woodcamp だ。
食料が減ってきて軽くなっているのもあるが、陸揚げも手慣れたものだ。

考えてみると右岸でキャンプするのは初めてだ。
今まで以上に自然が濃い気がする。熊出現の予感も少しだけ。
薪を集めた後は例によって釣り。安物のスプーンには全然アタリが来ない。
背後でリスがさかんに鳴くので、釣りを放棄しビデオを回していたら
林゛さんにパイクがヒット !!

ラブラドル・ティーを作る

竿がぐんとしなる。かなり大きそうだ。
騒ぎを聞きつけてギャラリーが集まってくる。
足場と水面とは高低差があるので、引き揚げ易そうな場所に誘導するものの、
あと一歩のトコロでラインを切られてしまった。
惜しい、1m 近い大物だったのに〜

失意の林゛さんをなだめつつテントサイトへ。
Don がインディアン・ティー(ラブラドル・ティー)の作り方を教えてくれた。
ラブラドル・ティーの木はそのへんに沢山生えていた。
この葉っぱを集めて煮詰めてできあがり。少し苦みとクセがあるが飲めない程ではない。

今晩のメインディッシュはタコス。
トルティーヤを焼いて具も盛りだくさん。欲張ってあまり詰めすぎるとハミ出すのでちうい。
Don が妙に陽気で、トイレットペーパーを 5 Star Napkin だと言って配りまくる。

鈴木さんの愛娘が持たせてくれたというカップラーメンを作り、証拠ビデオ撮影。
おとーさんは頑張って遊んでます。
おツマミの牡蠣の薫製の缶詰も妙に美味い。なんかほんと食べっぱなし。
結局、今日もグリズリーちゃんは現れず。

本日の漕行距離:30 km


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