Kライト大破 @ 十勝川

2003.09.09 (Tue)
新清橋。十勝川スタート前。
まだ元気なころ
熊牛発電所放水口合流後の十勝川の水量。ダムからの放水は無く、ほぼ平水。
しかし、本流の川筋が何ヶ所か変わっていた。
共栄橋の下約 500m 地点。去年 は避けた中洲左側の分流が本流になっており、
今までの本流は枯れていた。

イヤな予感はしたものの、緩い右カーブに先の見えないまま突入…

場所は このあたり (※:地図と実際の川の流れはかなり異なってます)

現場見取り図

川幅は約 15m
大きな倒木が横向きに川に横たわっているのを発見。しかも流れが速いため、直前で停止は不可能。
通れそうな隙間は左寄りの一箇所のみ。先行する森山艇は辛くもクリア。
そこにしゃり君艇と併走した状態で突入。
隙間を譲るカタチになって、倒木の上に乗ってしまい、人間は脱艇したものの、フネは張り付いた。

流芯にはテトラがあり、倒木はガッチリと引っかかっている。
右岸・左岸共に飛び越せない隙間があり、岸からのアプローチは泳ぐしかない。(非常に危険)
同日我々の前を下っていた ALLEY の2人組が居たのだが、後で聞いたところ、
倒木発見後、右岸の浅瀬ギリギリまでバックフェリーで寄せ、枝を折りつつ脱出したとのこと。偉い。

スターン部の水没の図。
この直後、右岸側の浅瀬から投げてもらったスローロープで荷物だけ回収してもらう。
格闘虚しくアキラメの図。
一度はフネの引き剥がしに成功しかけたのだが…
その右岸側の水流。
最終的に、この奥に飛び込んで人間は脱出。
(実は飛び込む際に足を滑らせて、ちょっとヤバかった。)
100m 以上流されないと上陸できそうな瀞場はない。
翌朝 (2003.09.10)、10 時ころ。
屈足の TOM さんにレスキューを依頼。
雨の中、左岸側から現状偵察の図
しゃり君が GPS で位置を記録してくれていたため、場所の特定は楽だった。
まだ張り付いていた。
昨日に比べ、水量はずいぶん減っていて、フネの全体が見える。
スターンがやや下流側に向きを変えていた。
この水量ならば脱出できそうだが、倒木が露出したため、フネで倒木を越えるルートがなくなっている。
TOM の社長さんも頭を抱えるが、なんとか回収は可能!とのこと。
作業は昼過ぎからということにして、一旦解散。
お昼過前から雨足強まる。現地に来たら、20cm 以上増水してる (T_T)
フネ全体に水圧が掛かり、今にも折れそう。
TOM さんのスタッフに回収作業をしていただいているの図。
下流部からエントリーして濁流を泳ぎ切る。信じられないぐらいの泳力とテクニック。
左岸・崖の上の立木をアンカーにして、3つの滑車と牽引用ロープでバウ側から引き揚げる。
引っ張り上がりました。ありがとうございます。
背中で反省
道路まで運ぶ。
痛々しいアングル。
横から見た図。
フレームをバラしてみた。
ジョイント部はほぼ全損なものの、紛失したのは右ペダル部のフレームのみだった。
コーミングや船体布は奇跡的に無事。


反省点:

  • 怪しい予感がしたら下見を入念にすべし
  • 今までと流れが変わった場所は特に注意すべし
  • 瀬には充分間隔を取って突入すべし
  • 浮力体とシーソックは必ずつけるべし
  • フネを見捨てる前に外せるパーツは外してから見捨てるべし
  • 出発前に川を軽視する発言をするべからず


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