北海道 ツーリングレポート 1995 夏
(第8話) 大雪麓探索
- 7/23 (日) 快晴
いつもどおりに5時前に目覚める。まだまわりのファミリーキャンパー
達は眠っているようだ。こんなに気持ちのいい朝なのにもったいないぜ。
そそくさと簡単な朝食を取って(独りの時はめんどくさいのでほとんど
料理はしないのら ( ^^ ;、デイパックに日帰り装備を詰める。
5時半ころにまわりを起こさないように静かに出発。
然別峡キャンプ場に連泊手続き済みなので、SRX は空荷でとても軽い。
昨日苦労して登ってきたダートも楽勝!
ちょっと下ったところでいきなり鹿が道に出てきた。
さすがに鹿追町というだけある鹿密度が高い :-)
驚かせずに写真に納めることができた。ちょっと赤目になっちゃったけど ( ^^ ;
荷物のないありがたさを嘆能しつつ白樺峠を駆け上がる。あ〜気持ちい〜
扇ヶ原展望台に着いたのはちょうど6時だった。
当然ながら誰もいないので十勝平野独り占め状態をしばし楽しむ。
早朝からいきなりだけど本日のメインイベント「ナキウサギ観察」に向かう。
峠を越え、駒止湖の旧道の脇に SRX を停めて山道を 5分程歩くと、
湖の裏のガレ場に出ることができた。果たして出てきてくれるのか…
と思ったのもつかのま、いきなり「ピキーッ」と声がする。
さっき歩いてきた付近。
慌てて双眼鏡で探す…いた!まんまるい耳のナキウサギが顔を出していた。
う〜ん感激 ( i o i ) こんなに簡単にお目にかかれるとは思わなかった。
じっくりと観察してしまう。カメラを出すが、悲しいかな 105mm ではちと遠い。
じりじり近付いてみたが、岩場に引っ込んでしまった。
ありゃりゃ、驚かせちゃったかな…
しばらくは、声はすれども姿は見えずのオアズケ状態が続く ( ^^ ;
と、二人連れのおぢさんが上がってきた。
カッコやカメラの装備から見るとタダモノではない様子。
「何頭見れましたか?」と聞かれたので、そっかぁナキウサギは「匹」
ぢゃなくて「頭」で数えるのかと妙な感心をしつつ見れたことを伝える。
「良かったですね。まだまだ見れますよ」とのことなので、
さらに粘ることを決意する。
二人は一番奥側に陣取って三脚を立てたりして撮影準備をはじめた。
しかし、この二人けっこうよく喋る。
が、しばらくすると彼らの目の前にナキウサギは出てきた!
息を殺して(ちとオーバー)待っていたおいらの立場って一体… ( ^^ ;
1匹のシマリスがちょろちょろしていて、こいつが妙に人なつっこい。
平気で人の足にも乗ってくる。試しにアーモンドチョコ1つあげたら、
カリカリと全部食べてしまった。虫歯にならなきゃいいけど…
結局、2時間ほど粘って 105mm レンズでも満足いく大きさの
ナキウサギの写真を撮ることができた (^-^)v 確認できたのは3頭かな。
ただ、彼らの無愛想なポーズに比べ、シマリス君がさかんに可愛げなポーズで
挑発するので、ついつい何枚か撮ってしまったのは言うまでもない (^^
;
続いて東雲湖へ足を延ばす。すぐ先の登山口に SRX を停め、
然別湖畔に沿って歩いていく。観光船の船着き場までとことこ約1時間、
割と単調で景色も大したことはない。山経由で行く人が多いのか、
誰とも会わない。木のすき間から観光船が静かに湖面をすべっていくのが見える。
船着き場からは、15分ぐらいで東雲湖。
船で来たのであろう観光客数人とすれ違う。
かんかん照りのガレ場にはナキウサギの声はなかったが…
しばらくすると湖面が見えた。おお、なんて静かで綺麗な場所なんだ!
対岸の熊笹が整備された芝生のように見える。
湖畔まで降り、ちょうどよく張り出した木にもたれて、
持参したお弁当(ってもパンとジュース)を食べる。
風がさっと吹いて湖面の草が揺れる。
めちゃくちゃ気持ちがいい。気に入った。三大秘湖のうち、
ここだけは来たことがなかったが、他の二つが気軽にアクセスできる反面、
秘湖のイメージを失ったのと対象的だった。木陰でゆっくりした。
さて帰り道、同じ道を帰るのもシャクなので、
船着き場で日光浴がてらしばらく待って船に乗ってみることにする。
当然のような顔をして乗り来むと、
船は来た道と反対側の湖畔に沿ってまわっていった。弁天島(?)
のまわりも1周してくれたりする。
降りるときもなにげに降りたら料金は請求されなかった。ナイス :-)
歩いて登山道入口まで戻り、入山届けに戻った時間を記入。
再びバイクの人となる。午後の日射しが暑い。幌鹿峠を越え、ヘアピンを攻めて :-)
糠平湖畔へ。ジュースでも飲もうと SRX を停めると、
なんとテールライトのネジが外れ半分落ちている(ガーン)
日帰り装備のためスペアネジなど持っていない。
たまたま通りかかったバイクを止めて、M6のネジか針金を持っていないか聞くが、
あいにく彼は持っていないなかった…
途方にくれて、しょうがないジュースでも飲んで落ち着こうと
自版機に近寄って行くと、なんとバイクを停めた目の前の店が金物屋さんだった
(本当)。難なくネジをゲットできた。やはり今日はツいている :-)
炎天下でカウルを外し作業する。
念のためダブルナット留めしたのでダートでもだいじょぶだろう。
思いがけなく大汗かいてしまったので、軽く温泉でもと「さわと温泉」
へ行ってみることにする。が、地元の人に聞いても知らないという。
ま、行けばなんとかわかるだろう。
R273 を北上し、幌加の手前を右折しダートに入る。
確か看板が出ているはずだ。ダート自体は非常に走り易い。
SRX でも 60km/h 巡行できるぐらい。
途中「ダム工事のため通行止め」の看板が出ていたが、
ゲート等はなかったので行けるとこまで行ってみることにする。
ついに看板を発見。しかし湯船は崖の下、滑べり降りた跡がある。うーむ。
よく見るともうちょっと先まで行けばバイクでも湖畔まで降りられそうな場所が…
ちょっとした川越えを強いられたが、なんとか湯船の脇までたどりつけた。
OutRider 誌でも紹介されてしまったので、けっこうバイクがいるかな〜
と思いきや誰もいなかった。
説明書によると有志の手によって整備されているようだ。
周囲は開けていて湖面を滑べるウインドサーファーを眺めながら入浴。
湯船は狭いながらも解放感いっぱい。
お湯もちょうどいい温度で調整の必要はなかった。
あ〜極楽極楽 (^-^)
だんだん日が傾いてきた。ナイタイ高原には明日寄ることにして、
R273を士幌まで下り、簡単に買い出しを済ませ早めにキャンプ場に戻る。
今晩のオカズはオショロコマの塩焼き(の予定)なのだ。
(つづく)
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