北海道 ツーリングレポート 2002 夏

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第 3 話 : 歴舟川


8/27 (火) 晴れのち曇、時々雨

目覚ましに合わせて5時起床。今日は念願の歴舟川を下る日。
空は薄曇りだ。キャンプ場前の河原を見に行くと大方は出ている。水量的には少な目だが増水よりはマシか。
コンビニおにぎりと味噌汁を流し込んでテントを撤収し6時前には出発。

今日の作戦的にはブロンコを下流のゴール地点にデポしておいて、カリブを出発点に残すもの。
しかし、明日の天気予報が悪い。途中の河原でキャンプしたいのはやまやまだが、
1ヶ月程前にレスキュー騒ぎになった事件の話も聞いている。増水に巻き込まれるのは避けたい。
川的には海まで下れるのだが、時間を考慮し R336 の歴舟川橋をゴールとする。左岸にクルマを置くスペースがある。

ブロンコを置き、テントも張って着替えやメット等を置いておく。念のためブーツカバー等も置いておく。
風で飛ばされないようにペグもガッチリ打ちたいのだが、地面が小石だらけなので石を集めて張り綱で固定。
ついでにバイクにもロープを結んでおく。なんとかなるだろう。

取水堰下の出発地点

大樹町のセブンイレブンで昼食等を買い込んでから、スタート地点へ向かう。
途中、相川橋をチェック。流木が橋桁に絡んでいてルートが狭いが、なんとかなりそう。
川を覗き込んでいたら、通りかかったダンプのおっちゃんに「アキアジかい?」と声を掛けられる。
ぼちぼちサケが遡上してきているようだ。

スタート地点は取水堰の下。しゃり君の話では分岐が見つけづらいとのことだったが、
野生の勘で一発で発見(笑)先客はいないようだ。フネを組み立てる。
このあたりは渓谷になっており景色は素晴らしい。水温は低め。沈したくね〜

巨大流木

予定より若干早く 10時前には出発することができた。
流れは谷間を蛇行する。人工物は何も目に入らない。空も明るくなってきた。素晴らしい!
気田川にも雰囲気が似ているが川岸に打ち上げられた流木が多い。暴れ川なのが実感できる。

3つ目ぐらいの右直角カーブの手前で上陸して偵察。
流れがまともに岩に当たっているが、アウトインアウトのラインならばイケそうに見える。
例によってジャンケンで負けたおいらが先行。なんとかクリア。
後ろから林゛さんが来る。ややラインがアウト寄りか?岩に当たる〜!!
パキーンといい音をさせてパドルで抵抗するもバランスを崩してあっけなく沈。
わはは。幸先のいい出だしだ。

次々と似たようなカーブがやってくる。水量的には過不足なし。隠れ岩さえ見抜けば底を擦ることもない。
しかしほとんど瀬で瀞場なく休むヒマがない。カーブがキツいので、長いフネだと大変だろうなぁ。
渓谷終了手前の約 100m 程は完全なジェットコースターだ。左右にバランスを取って一気に抜ける。楽しい!!

昼飯を食べた河原

流量観測ワイヤーの下で川は左右に分流する。真ん中の中洲に上陸。
左側は倒木だらけで航行不能だろう。11時も過ぎたのでここで昼食とする。
ようやく太陽も顔を出して気温も上がってきた。嬉しい〜♪
それにしても、河原で食べるカップラーメンは何故美味いのだろう?

軽く昼寝したりして、12時過ぎに出発。
川幅が広がって中流域らしい景色になる。そのぶん底を擦る確率は増えるのだが。
それにしても河原に打ち上げられた流木の量が半端じゃない。
このあたりでキャンプしたらイヤと言うほど焚き火ができるだろう。

相変わらず流れは速く、非常に快適な速度でフネが進む。
瀬の中に隠れ岩が多くなり、三角波の中を突破していくのが楽しい。
が、ところどころで岩盤が顕れているところがあり、けっこうガリガリしてしまう。
相川橋の右岸の河原に砂金を掘っている人が数人居た。軽く挨拶して通り過ぎる。
釣り人は2人しか見なかった。

中の川・ヌビナイ川の合流を過ぎるとさらに川は浅くなる。
浅瀬の何ヶ所かは完全に引っかかってしまった。
少々のんびりしすぎて、14:30過ぎにカムイコタンキャンプ場に到着。
上陸してトイレ休憩。林゛さんはボトムの修理も。気温が下がってきてフリースを着込む。

おぎん撃沈

カムイコタンのすぐ下流左岸に白糸の滝のように地層から水が染み出ている場所がある。
景色に見取れていたら、三角波に足払いをくらって撃沈してしまう。
どうやらタオルを流してしまったようだ。悔しいのでもう一度沈&再上艇の練習をする。
フリースのセーターがズブ濡れになってしまったので、バイク用のカッパ兼ジャケットを着込む。
これ積んどいてよかった。

さらに追い打ちをかけるように空からポツポツと雨粒が。
おいおい今日一日は持つハズじゃないの?

そろそろ下流域と言える場所なのだが、相変わらず流れは速い。
これ以上沈したくないので三角波を避けて漕行。
大樹橋の直前の岩盤上で2人ともバランスを崩し掛けるがセーフ。
が、ふるさと大橋の橋桁のところで林゛さんが再度の沈。岩盤にまともにヒットしてしまったようだ。
ちょっと寒そう。

下流域

このあたりから川幅・河原ともに広大になる。
なにかアラスカとかシベリアのような雰囲気だ。(行ったことないけど)
霧雨は降り続き、薄暗くなってきて2人とも寡黙になる。漕がなくても進むのが救い。

鹿の群が左岸の河原に出てきて水を飲んでいるのを発見。
そっと近づいたのだが、カメラの射程圏内に入る前に退散されてしまった。
もしかしたら熊も近くに住んでるのかも。

ようやく歴舟川橋が見えてきた。今日は海まで行くことにしなくて正解だった。
テントもバイクも無事。結局他のカヤッカーを全然見なかったな。
フネを引き上げ、乾いた服に着替える。ああ木綿の服の心地良さよ。

ブロンコに2人乗りして走り出す。霧雨は続いている。寒いよぉ。
途中、リザーブに入ってしまいガス欠の心配もあったが、なんとか完全に真っ暗になる前にスタート地点に戻る。
カムイコタンキャンプ場にブロンコを置いて、カリブで歴舟川橋へ。4輪はあったかくて快適ぢゃ。

フネとテントを濡れたまま撤収して、大樹町まで戻って晩飯。
2日続けて焼き肉屋はさすがに予算オーバーなので、「味の龍月」というラーメン・定食屋を試す。
これが焼き肉定食(結局肉なのか?)にデミグラスソース掛けというファンキーなお味でちょっとハズしたかなと。
量的には腹ペコおやぢ達にも多すぎる程だったので、またもや満腹ねむねむ状態でキャンプ場へ。

それにしても歴舟川は良い川だった。おいら的川ランクは文句無く1位に決定。
天気の良い時に、途中でキャンプしながらのんびり下ってみたいと強く思った。
そーいえば2日風呂に入ってないが、二人とも泳いだので良しとしよう(笑)

本日の漕行距離:約30km
参考文献:北海道の のんびり下れる川の本 (オススメ)


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