カナダ・ユーコン 2003 夏

7. オブライエンズ・バー 〜 フータリンクワ


6/24 (火) 晴れのち曇り

テントの中の気温は 3度。一番寒い朝だ。
しかし、地衣類の上だったので、シュラフカバーを掛けていれば快適だった。
森の奥の方に張ったので、昨夜からの強風もあまり感じなかった。(爆睡してただけか?)

釣り堀

朝食はホワイトソース掛けのマッシュポテト、ハム、ベーグルにフルーツ。
焚き火の暖かさがありがたい。

朝食後、泥と草でフライパンを洗う Don の周りにグレイリングが群がる。
油のニオイに誘われてくるようだ。
群の真ん中に恵子ちゃんがルアーを落として一匹釣り上げる。
反則気味だけど、一匹も釣れない Yas よりはマシ(笑)

カヤックの視線

風が強いので、いつもより念入りに焚き火を消火し、11時前に出発。

幸いにも追い風だ。雲が勢いよく流れていく。
鈴木さんがパドルに傘をくくりつけてセイリングに入る。
ラダーがないのでコントロールはしづらいが、漕ぐより速い。

今朝は、おいらはシーカヤックに乗る。
慣れ親しんだポジションだが、ファルトに比べるとコクピットがタイトでちと窮屈。
こういう川ではカナディアン・カヌーがやはり一番快適かなと。
とは言え、水面により近い視線から見る景色はひと味違って、これも良し。

テント流れる

あまり漂流物の無い川なのだが、何か大きなモノが浮き沈みしつつ流れているのを発見。

 なんとオレンジ色のテントだ!

カヤックで近づいたが、手が届く前に沈んでしまった。
たとえ掴めたとしても重くて持ち上げはできないのだが。

ガイド達が無線を使う。
もし、ソロのカヌーイストのものだったらば事故の可能性があるし、
テント無しでは厳しい旅になってしまうであろうからだ。
謎を残してテントは見えなくなってしまった。

全員集合

今日はドイツ人グループより先にキャンプ地に着きたいということで、
上陸せずにラフトを組んでティータイム。
昨日、キャンプ地を先に取られたのが David は相当悔しかったようだ。
漕がずとも時速 10km/h 近いスピードでぐんぐん流れるので快適。

15 時、大きな島を本流が回り込んだ先の、小さな中洲に上陸。
流れが速いのでフェリーグライド全開。こういう場合カヤックはコントロールが楽。
中洲の下流はエディで、そちらに着ければそれほど漕がずに済んだ模様。

ランチタイム。
いつものサンドイッチだが、サワーソースを掛けた生のカリフラワーが妙に美味い。
日本では生では食べないと思うが、これがかなりイケる。バリバリと囓る。

昼食後は Yas と組んでカナディアンに乗り換え。カヤックは恵子ちゃん。
スターンを Yas に任せてバウでのんびり〜
が、にわかに雲が広がってきてしまい、景色はイマイチとなる。

左側の山が切れ谷間が広がってくる。もうすぐユーコンが合流してくるハズだ。
岸の向こうから瀬音が聞こえるようになってきた。テズリンの音ではない。
川幅がぐんと広がり、左から来る緑色の流れにぶつかる。
曇り空なのでくっきりとは見えないが、テズリンの褐色の流れとは明らかに異なる水の色。
ユーコン川合流地点フータリンクワだ。

フータリンクワ

ひとしきりユーコンを楽しみ、人工的にに整備された広場の正面に上陸。
19世紀末のゴールドラッシュ時代の史跡の建物が残っている。
日本人だけではないようだが、史跡に落書きが多数あったのには少々幻滅。

ドイツ人グループに勝った(笑)ので、一等地のテントサイトを独占
ここにはピクニックテーブルや簡易トイレまである。個室の中には便座が2つ横並び。なんでだろ〜??
テーブルも2つ並べると14人が余裕で座れるようになる。
キャンプサイトには、すばしっこい野ウサギも顔を出した。

広場の前は流れがなく、水草も多くてグレイリングは釣れず。ルアーも1つ根掛かりしてしまった。
ガイドが流れのあるところまで炊事用の綺麗な水を汲みに行った。

今日の夕食はカレーライスだと言う。しかしうまく米が炊けるか自信がないそうだ。
いまこそ飯炊き1級(2級だっけか?)の腕の見せ所。ガイジンに炊飯は任せられない。
下流寄りのクリークまで米を研ぎに行くが、この流れが異常に冷たい。
10秒も手を付けるとジンジンくるほどの冷たさ。さすがにここではおいらでも泳げない。

日本 / スウェーデンあやとり合戦

炊飯は無事に成功。標高は 800m ぐらいあるので水若干多め作戦が功を奏した。
この機を逃すまじと、個人持ち込みの味噌汁や日本茶も出てくる。
北米でのバックパッカー生活が長い Yas は久々の米のメシを非常に喜んでいた。
キモチは良くわかる。食生活は自分が日本人だと一番感じる部分なのだ。
カレーもタイ風でとても美味かった。

米の飯でおぢさん方も元気が出たのか、森山さんからロープを奪い、マジック合戦。
皆で爆笑の嵐。60過ぎとは思えないハジけ方だった。
森山さんはガイド達にも伝授。Don のエンターティナーぶりにも驚く。

Katarina と恵子ちゃんは、あやとりで対戦?
スウェーデンでも同じワザがあるそうだ。意外にもあやとりはインターナショナルだった。

ドイツ人グループは遅くなって上陸。
あのテントはやはりドイツ人達のもので、朝の突風で飛ばされたそうだ。
ユーコン合流点ということもあってか、その後もカヌーイストが何組もやってくる。
23 時を過ぎているのに一旦上陸し、史跡を見てから、また漕ぎ出すグループも。
まぁ、白夜なので漕げるには漕げるのだが、一体何時までやるつもりなのか?

本日の漕行距離:45 km


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