北海道 ツーリングレポート 1998 夏

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第 7 話 : 天気予報外れる


8/20 (木) 雨のち快晴!

半分泥に埋まった標茶のカヌーポート

朝、雨は降り続いていた。
今日からは釧路湿原に入るというのにツイていない。

待っても止みそうにないので、昨日の朝の不手際を反省し、さくっと朝食を取る。
釧路川はほとんど増水していないように見える。
フネに溜まった雨水を出して、カッパ・フル装備で出発。ちょっと寒いっす。

漕ぎ始めると雨足はさらに強くなった。
こうなると、ただひたすら漕ぐだけである。チャリンコで旅をしている時に 雨に降られた時の感覚とそっくりだ。
川岸には牧場が多くなり、雨足が最強になった時は、牛も樹の下に待避するらしく、 川を流れていく我々を集団で見つめていたのが印象的だった。
残念だったのは雨が強すぎてカメラを出せなかったこと。

寒くてトイレが近くなるが上陸地点がなかなかない。
五十石橋の下に無理矢理接岸。橋桁がかなり高い場所にあるので雨避けにはならないが、 気休めにはなる。
テルモスに入れておいた暖かいコーヒーがはらわたに浸みた。

愛想の悪い牛

放牧されている動物を眺めていると、総じて馬は愛想がいいが、牛は良くない。
特に肉牛が川の方など全然見ない。いずれ食べられてしまうことを知っているのだろうか、 自分が食べる方に夢中になっているやつらの方が多い。

オソツベツ川との合流点で、丹頂を発見した。
ちょっと離れていたが、見慣れた青サギとは明らかに違う綺麗な色。
しかし、彼らも現在では人の手を借りなければ、この自然の濃い釧路湿原の中でさえ 生存できないのだ。複雑な気持ちである。

牛田馬子さん

ちょうど合流点のトコロは、右岸に馬、左岸に牛という牧場構成だった。
右岸の子馬を眺めていると、突然信じられないものが目の前に現れた。
彼女こそ、ホルスタインの模様を持つ馬、牛田馬子さんである。

子馬をかばうように人間を威嚇する彼女を見ながら、
七夕のように川を渡って異種格闘技が行われたのだろうかと夢想する我々であった…

そうこうしているうちに、川は長〜い直線部分に入る。
当然ながら人間の手によるショートカット部分である。
雨はほとんど上がって川霧が発生し、やや幻想的な雰囲気はあるのだが、
いかんせん不自然に直線で川幅も異常に広い。

流れがほとんどないため漕がないと全然進まないし、 浅い箇所が多いため、ぼーっとしてると引っかかる。
なんのために、こんなところを作ったのか理解ができなかった (-.-)
左岸を鹿が歩いていたのを見れたのが救いと言えば救いかな。

カヤック上に立つ鈴の特技

ようやく直線を抜け、本来の蛇行した流れになる。
川幅は狭くなり障害物も多くなる。やっぱりこうでなくっちゃ。
以前、鈴はこのあたりで油断して沈し、ビデオカメラを流したそうな。
その時に上陸したという中州を探したが、結局わからなかった。

すでに湿原に入ったハズだが、川は一番低い場所を流れるために見通しは利かず、 はっきりとはわからない。
このあたりは上陸禁止区域なので、流れながら昼食。 炉端焼きのようにパドルを使って食料をやりとりするのが楽しかった。

二本松橋をくぐると、どうやら右岸には川に沿ってダート道がある模様。
車の音が聞こえて少し興ざめ。ルアーを投げてみるがアタリなし…
ほどなく JR の線路が見えた。塘路川との合流点である。

ノロッコ号でも通ったら乗客にサービスでもしようかとちょっと待ったが、 時間もわからなかったので塘路湖に向けて川を遡る。
が、線路が見えなくなった途端に汽車の通る音。ありがち…

塘路川は想像していたよりも川幅があって、遡るのは割と容易だった。
このころになると晴れ間も見えてきて気温も上がってきた。
Tシャツ姿になってバリバリ漕ぐ!ひさびさに汗が出た。

線路と国道をくぐると塘路湖に出た。
狭い水路から来たせいもあってやたら大きく見えた。 観光客を乗せたカヌーがけっこういる。
ガキんちょを大量に乗せたガレー船のようなフネもいてなかなか微笑ましかった。

塘路湖の夕暮れ

塘路湖元村キャンプ場のすぐ下に接岸。
アクセスが良くてとっても便利 (^-^)
10年前に来た時とはえらくイメージが違って、すんごく綺麗になっていた。

テントを張って濡れた服を干してから、空荷で湖を散歩と洒落こんだ。
空のフネはとっても軽くてすいすい進むし、気づいたら空は快晴!
綺麗な夕焼けを眺めながらのビールは最高だった。

のんびりとテントに戻って夕食。
星空を眺めていると、キツネもやってきた。
それにしても天気予報が外れて良かった良かった。明日もいい天気だろう。


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