北海道 ツーリングレポート 1998 夏

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第 5 話 : 土壁


美留和橋下流ののんびりした直線部 ひさしぶりに地面の上でゆっくりして、おぼつかない足取りでフネに乗り込む。
美留和橋から下は川幅が広がり、しばらく改修された直線が続いくため表向きの危険は少なくなる。

1時を過ぎた。食後とゆうこともあって、めいめいのんびり流れる。
鈴なぞは、横や後ろ向きで流されている。快晴の空が綺麗だ。

だらだら流されていく我々の横を、木目も美しいカナディアンに乗った夫婦連れが追い越していった。
みょーにワイルドな奥さんで、とーとつに川に飛び込んで泳いだりしていたが、 なかなかいい雰囲気を出していた。
結局、この夫婦には追いつけなかった。カナディアンより操作性のいいハズのカヤックなのに (^^;

流れ自体もあまりない区間だったので、少しは漕がないと進まない。
古い橋をくぐって、車の多い札弦内(さっつるない)橋をくぐるぐらいになると、 川はまたくねり出す。
けっこうカーブもキツく、倒木/沈木の量は上流部よりも多いぐらい。
再び一列縦隊を取る。

大きなな右カーブの外側の淵で休憩。
かなり森の中の雰囲気となって、にわかに空も暗くなる。
そろそろ土壁が近い予感がする。頭の中になぜか JAWS のテーマが流れた。
NECC で教わった土壁攻略法を皆で復習する。

目印の「木に巻いたテープ」があるハズなのだが、なかなかそれらしきモノが出てこない。
とあるカーブを曲がると流れが速くなる。ふと前方を見ると NECC で教わった三角岩が見えた。

土壁だ !!!

'98/08/18 ころの土壁の図 後続に教えようと、バック漕ぎをするが流れが急で止まらない。
Uターンして、全力でフォワードストローク!
しかし、流れはさらに強く、半回転したまま流されていく (ToT)
横を鈴のフネが突入していった。

三角岩の右に入ってしまうと前方の倒木に引っかかるため、絶対絶命だと言われていたが、 まさにフネはその方向に流されている。ヤバい〜ヤバすぎるぅ〜
フネの向きを前向きに変えて、三角岩を越えたところで
必死で左へターン。全開ストローク!!

なんとか中州下の浅瀬に引っかかる。
鈴はその下の右岸に付けていた。

そのままフネを出して土壁横の浅瀬に乗り上げる。
いやぁ、かなりヤバかった。マジであせったのなんの。

ツッチー達は中州下の浅瀬で亀状態になっていたので、
フネを降りて、ライニングダウンしてきた。正解だと思う。
皆であらためて土壁を観察し、あそこに流されないでホント良かったと胸をなで下ろした。
一息つくことにした。

戦利品を手に、ニカニカ笑うツッチー ふと見ると浅瀬にサングラスの残骸があった。
レンズは片方なく、ツルは両方ともない。
ここで沈をしたカヌーイストのものと思われ…合掌。

土壁自体は伏流となって川が崖下に流れ込んでいるところで、
倒木も何重にも重なっていて、あそこにハマっていたらタダでは済まないだろう。
生きているってすばらしい (^^; タバコがうまいぜ。

ツッチー挺の水をかい出してから出発。
またもや小さい穴が開いてしまった模様だが、あまり大したことはなさそうだ。
流れも少々速いが、土壁の瀬に比べれば全然楽勝。空は再び明るくなってきた。

何個かのカーブをクリアすると、前方に「工事中」の看板。
その先で川は2手に分かれていた。なんとなく野生の勘で左コースを選択。
後から聞いた話では、右コースは倒木が川幅いっぱいに倒れていて、 「かなりキビしいリンボーダンス」を強いられたとのこと。
左は改修された直線コースで、面白みには欠けたがトラブルはなく下れた。 300m 程先で合流。

摩周大橋が見えた! 前方に今日のゴール摩周大橋が見えた。
橋の両側には何組かのカヌーイスト/カヤッカーがテントを張っている。
我々もカヌーポート奥の空き地にテントを張った。

橋のたもとの「ペンション・ビラオ」にて風呂にいれてもらう。露天もあっていい感じ。
急激に空腹を覚えた我々は、自炊するかどうか協議の末、 すぐ横のコンビニ併設の焼き肉屋「焼き肉一番館(摩周一番館?)」へ。
飲み物別で 1,380円食べ放題 60分一本勝負で、定食以外なら、焼き肉でもカレーでも ラーメンでもなんでも OK とゆう太っ腹な店。

肉の味もなかなか良くて、4人ともすさまじい食欲を見せる。
十分にモトを取って満腹満足状態でテントに帰り着いた。

すでにあたりは真っ暗。
まだ寝場所の決まらないライダーがうろうろしてるのを見て、 「若いよのぉ」などと余裕を見せる我々であった。
軽くコーヒーなんぞを飲んでから眠りについた。


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